亜麻色の髪の乙女ーLa fille aux cheveux de lin

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クロード・ドビュッシー

ピアノのための前奏曲 前奏曲集 第1巻 第8曲目

【亜麻色の髪の乙女ーLa fille aux cheveux de lin】

 

大学4年の冬。

当時習っていたバイオリンの先生宅においての忘年会を兼ねた演奏会。

僕はそこで、亜麻色の髪の乙女(バイオリン編曲)をピアノ伴奏付きで演奏した。

 

 なんでだろう。

どうしてこの曲をこのとき選曲したのか、論理的な説明は5年くらい経つ今でもできないでいる。

漫然と、ただ漫然と感じるのは、当時好きだった女の子とこの曲のイメージが密接にあるということで、「亜麻色の髪の乙女」から受け取る世界観は今でも好きだということ。

春に、桜の花びらが散り、散ったその花びらの香りをかぐ。

その香りに詰められたすべてが、この曲から感じるすべてだ。

こんなことしか言えない。

 

この曲はとてもおとなしい。

おとなしいけれど、動的な、揺さぶられる感情のダイナミックな表現もある。

だから、いい。

いかにも、いかにも人間的な、抑制されたなかでパッと花開いた、実りの時期を感じ取る。

 

この曲の美しさを、僕自身が満足する形で、言葉でちゃんと説明または表現できたときは、僕が死ぬときではなかろうかと考える。

ずっと遠いところにあるから追いかけるけれども、追いついてしまったら、そこからはさて何を追いかけたらよいのか、もうそんな対象はないかもしれない寂しさがある。

いつまでも遠くにあって欲しいものって、ある。

 

・・・村上春樹はギャツビーに対してこんな視線で見ているのだろうか。

(氏はもう翻訳したけれども。)