官能

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「ねえ、官能ってなによ?」

「いっぱしの物書きたるもの、濡れ場を書けないようじゃダメだ。なんてよく言うだろう。それだ。官能とは本質の最たるもので、表現の美学なんだ。」

「そんなの、誰が評価するの。わたし?」

「違う違う。今あそこに座って辛気臭い顔をしている、ピエロガール&ピエロボーイさ。見てろよ。」

 

 

 

『なあ君たち、良かったら僕の書いたこの短編を読んでくれないか?

そして、ほんのちょっとでいい。感想を聞かせて欲しいんだ。』

『ああ、まあいいけど・・・』

『ナニソレー??そんなのいいから、あたしの話聞いてよー。』

 

 

「なになに。あの人たちに、本のなにが分かるっていうの?

活字なんて、義務教育以降目にしていないんじゃないかしら。」

「だからいいのさ。まあ見てなよ。」

 

 

『ボソボソボソ・・・(ボーイがガールに耳打ちする。)』

本を持って外へ飛び出す。

 

 

「あっ!あの人たち、あなたの本を持ってどこかへ行ってしまったわ!

なんだか、妙にソワソワして・・・」

「おい、行くぞ。追いかけるんだ。」

「ちょっと待って!!」

 

 

「見ろよ・・・あいつら、ほら、今ホテルに入って行った。

僕の文章が、ストレートに彼らの本質に突き刺さったんだ。彼ら、いや、人間の本質だ。きっとそうだ!!」

「ヤバイわコイツ・・・次は私が洗脳されてしまうんだわ。とっとと逃げましょ。」

 

フゥゥ