死者蘇生としてのアイロンがけ

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アイロンがけをすると、心が洗われたように新鮮な気持ちになる。

しわくちゃな服やハンカチに灼熱の命を与え、もう一度この世に美しく生きるよう整えてあげる神のような仕事を、われわれはするからだ。

 

ちゃんとアイロンをかけていないシャツやハンカチからは、まったく躍動を感じない。

生地がどんなに良いものだろうと、仕立てがキマっていようと、生きていないものは等しく死の匂いを放つ。

動いている肉体も、しわだらけのシャツに包まれればエネルギーは内向きに沈殿してしまう。

そしてその個人の肉体とシャツは同化し、取り込まれ、生きながらも死んでいる無限のパラドックスに悩まされる。

 

 

今日着たシャツは、洗濯機に入れられ、洗われる。

しわくちゃになってしまうが、アイロンをかけることでまた新たに命を吹き込むことができる。

 

人間の魂もそうなのかもしれない。

一度死んだ魂はどっかに行って、洗われる。(記憶の洗濯)

しばらく漂っているうちに、またどこかで入るべき容れ物が生まれ、2つは1つになる。

 

 

僕の見てきた限りのところで言えば、きちんとアイロンがけをしている人は生きる姿勢がキマっていて、決まって能力が高いし、それを評価してくれる人に囲まれている。

アイロンがけとは、つまりそういうことなのだ。

 

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