翠凜堂[suirindou]コーヒーサロン

いつの間にか雑記ブログ((´∀`))

the long goodbye ハートウォーミング・ハードボイルド

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the long goodbye by raymond chandler

 

世の中に、憧れる主人公というものは多くいますよね。

私の中ではホームズも良いのですが、断然マーロウが好きなんです。

 

 

機転の早さと本当の意味での優しさ・強さ、そして気に入らない者を牽制、攻撃するときに炸裂する皮肉。

ああ~~いいんですよね~~

 

マーロウのそうした魅力が詰まったシーンを紹介します。

ロング・グッドバイの冒頭のシーン。

マーロウとレノックス(この作品のキーパーソン)が2回目に会った時の会話から。

 

ーーーー

アル中で路上にぶっ倒れていたレノックスを発見したマーロウは自宅に連れて帰った。

 

レ「別れた妻、シルヴィアに金を工面してもらえばいい。と思っているんだろうが、おれにだってプライドがあるんだ。」

 

マ「プライドだって??」

 

レ「これは普通の意味での、単なるプライドじゃない。他にはなんにも持ち合わせない者の、そんな人間のプライドなんだ」

 

ゴトン マーロウがテーブルにウイスキーボトルを置く。

 

マ「もし君にプライドがあるというのなら、こいつに向かって見せてやれよ。」

 

マーロウはオフィスに出掛けていく。。。

 

ーーー

 

マーロウは出会ったばかりのレノックスを、なぜか放っておけない。

このほんの数分の出来事であろうシーンに、レノックスへの優しさが詰まっている。

 

レノックスが、プライドがどうだと言い出したのをきっかけに、それならばとアル中の彼の前にわざわざウイスキーボトルを持ってきた。

 

ここです、ここです!!

 

もし、もしも。

このやり取りがなければ、レノックスは我慢ができなくて酒を求め、家中を探っていたでしょう。

 

しかし、そんなことをすれば彼はさらにひどい症状になるばかりか、せっかく世話してくれたマーロウに不信を抱かせることになる。

 そうなれば、もう終わりです。

レノックスも自分への不信感や不甲斐なさを感じ、やりきれなくなっていたことでしょう。

 

 

こうした諸問題をいっきに解決したのが、マーロウのウィスキーです。

余計な言葉はいらない。

マーロウも酒飲みであるからこそ、レノックスの気持ちが分かる。

だからこその、彼の優しさ。目の前にウィスキーを置いておくこと。それだけのこと。

それだけの、一瞬の動作に、色々なものが詰め込まれている。

 

 

マーロウはこういうことがお上手。

 

 

さて、マーロウが帰宅してテーブルに目をやると。

そこには、出掛ける前と同じ姿のウィスキーがありました。

ただ、マーロウは特に驚く様子もなく、それを確認しただけ。

答えはすでに知っていたという風に。

 

 うんうん、流石です。

こうしたシーンが、この

long goodbye

には多く収録されています。

 

おすすめです。