翠凜堂[suirindou]コーヒーサロン

コーヒーとともに生き始めた人生。興味の膨れるところを、どんどん発信します!!

旅の目的:その土地の日常を、自分の日常とすることーヴェネツィア

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先日、いま親しくして頂いている方と「旅」に関する話をしたところ、自分の旅する目的をようやく言語化できたような気がしたのでまとめてみます。

 

 

 何度も同じ土地に行く:ヴェネツィア

私はこれまで、

ドイツ オーストリア

グアム イタリア

 

に出掛けたことがありますが、それらのほとんどが「楽しかったな」という記憶しか残っていません。

 

その理由は1つです。

慌ただしかったから。

慌ただしく移動してあちこちに行くことは、とても楽しい。

旅行に行った感をものすごく受けられる。

けれど、楽しいだけの記憶というのはなんだか頼りなく、薄いもののような気がしてしまいます。

 

あそこに行った、ここにも行った。

 

 

というのは旅の楽しさ、醍醐味の1つではあると思うのですが

私にはどうしても馴染みませんでした。

 

 

そこで私が試験的に実行してみたことは、

長期間の滞在を

何度も繰り返す

ことです。

 

これを、イタリアのヴェネツィアで実験しました。

時期は、

2012年 大学3年の夏        1週間 2人で

2013年 大学4年の冬 年末 年越し 1週間 1人で

2015年 社会人2年目 秋      1週間 数日間2人

 

 

合計で3週間です。

 

 

なぜヴェネツィアになったのか

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ある朝 サンマルコ広場へと抜ける 

 

 

この話は、私の小学生時代に遡ります。

 

私は、当時の小学生の例に漏れずポケモンが大好きでした。

幼稚園生の頃から、中学に入学するまでアニメとゲームに熱中している普通の小学生。

その過程で観た、あるポケモン映画にものすごく強い影響を受けたのです。

 

そのポケモン映画のタイトルは、

 

「水の都の護神 ラティアスとラティオス」

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Amazonyより

 

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子どもながらに、この映画の舞台となっている都市に強い憧れを持ちました。

「こんなにも素敵な都市が、世界にはあるのか・・・」

 

それが、ヴェネツィア。

作品では「アルトマーレ」と呼ばれる水上都市です。

 

 

都市の中を流れるいくつもの水路

その水路がつくる魅惑的、幻想的な迷路

 

 

「こんなとこ行きたいな~(''ω'')」

と、英語を話せない、お金もない小学生が考えていたのでした。

 

 

それが、ふとしたきっかけで大学生時代に出掛けることになりまして。

実際に旅をしてみたら飽くことなき興味がどんどん湧いてきます。

 

来てよかった!

 

それからというもの、海外に行ける機会があれば

悩まずにヴェネツィアを選んでいるのです。

 

 

長期滞在で、なにをするか

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朝焼け

 

なにもしない

基本的に、なにもしません。

何もしないというのはおかしいですが、

日本での生活とあまり変わりないということです。

 

理由は、その土地で暮らす日常を感じたいから。

 

美術館や演奏会には行きます。

それは、私にとって日常だから。

演奏会といえば、素敵な楽団がこの都市にはあります。

 

interpreti veneziani ヴェネツィア室内合奏団

 

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 公式ホームページより

www.interpretiveneziani.com

 

地元ヴェネツィア生まれの作曲家ヴィヴァルディを得意とする超凄腕集団です。

本当に、本当にこんな演奏があるのか・・・と息をのむ音楽。

日本においても、年に数回来日コンサートを行っています。

 

ヴェネツィアでの一日はこんな感じ

気の向くままに、行動します。

朝早く起きて、朝焼けの中をランニング。

5時ごろ、昼間は観光客で賑わうサンマルコ広場にも人はまったくいません。

爽快な朝です。

 

ホテルでシャワーを浴びて、朝食。

ハムとパンとコーヒー。

 

 

散歩。

ぶらぶらぶら。

今となっては、地図を持たずとも街のたいだいのことが分かります。

 

ぶらぶらしていると、蚤の市に偶然出くわしたりするのです。

毎日発見だらけ。

 

 

昼食もそこそこにとり、カフェでのんびり読書。

名物のジェラートを食べながら。

その気になれば、タバコも吸います。

日本では滅多に吸いませんが、外国銘柄のタバコは妙に気になってしまう。

なにか気になったものがあれば、買い物もします。

 

 

夕方。

眠くなるので、一度ホテルに帰り休憩。寝ます。

寝て、体力回復です。

これがまた気持ちいいのです。

 

 

夜。

夜の街を練り歩きます。

朝 昼 夜

表情が劇的に変わります。

 

予約していた演奏会に出掛けます。

 

 

ホテルに帰って、昼間のうちにスーパーで購入したパンやハムやその他で夕食。

ビール、ワインを飲みながら。

朝や昼は、1人でも気兼ねなくレストランにも行けるのですが

ディナーとなるとどうも気が引けてしまう。

一人で席を利用するのが申し訳ない感じがするのです。

 

こうして一日が終わります。

 

 こうした日々を繰り返した先にあるもの

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ヴェネツィアをさまよい歩くのは、やはり夜がいい

 

 

これを、2日3日と続けていくと次第に身体が街に馴染んでくることがわかる。

 

拠点のホテルも1週間同じホテルだから、

そこのスタッフの方とも親しくなり会話も弾む。

朝食の席でも、毎日顔を合わせる人と少しずつ話すようになる。

 

すると、少しだけだけれども、

自分がこのヴェネツィアに溶け込めてきたような感覚を持つことが出来る。

 

私にとっては、これが一番嬉しいのです。

自分が気に入った街の、一部分になる。

たとえそれが僅かな期間でしかなくとも、その感覚は私の身体に残る。

私の身体の一部分が、その感覚を覚えている。

それがいいのです。

 

 

かつてヴェネツィアは、私とはまったく関係のない理想の都市でしかなかった。

しかし現実に、いまこうしてヴェネツィアに存在している。

ヴェネツィアの都市風景の一部として紛れもなく存在している。

これは、私にとって非常に大きな喜びでした。

 

 

そして、地図を持たずとも安心して外を歩き回れるくらいに

この都市を理解し始めてきている。

自分の足で、意志で自由に歩き回ることができている。

旅において、これほどに嬉しいことはありません。

 

だから、こうなるともはやヴェネツィアは旅ではなくなるのです。

日常として、当たり前の存在になる。

となると、当然飽きることもあります。

実際、3回目の時はもう飽きて耐えられなくなって

ヴェローナ辺りまでは電車で出掛けてしまいました。

 

けれど、これも私にとってはかなり嬉しい感覚なのです。

少しでも「飽きる」という感覚を持ったのなら、

それは自分にとって刺激が薄れてきた、馴染んできた

ということに他ならない証明ともなるからです。

 

 

ヴェローナに出掛けた先で、私は思いました。

 

「あっ。すぐにヴェネツィアに戻ろう」

 

ヴェローナも、もちろん素敵な都市でした。

しかし浮気した先で、それを上回るヴェネツィアの魅力に再度気付かされたのです。

半日も過ごさないままにすぐに帰りの電車に乗りました。

 

そして、ヴェネツィアの駅に降りると、

「ああ、この空気。帰ってきたな」

と、生意気にも思っているのです。

 

 

旅で経験した日常は、残る

こうして、日常を淡々と過ごす感覚で滞在したヴェネツィアの日々は、

今でも身体に残っています。

 

都市の空気、匂い、喧騒、肌触り、そんな諸々のことが瞬時に思い出されます。

そしてそれはきっと、今の私に作用しているはず。

私自身が気が付かないようなところで、けれど確実に。

 

 

もしかしたらその感覚が、私をいま京都に置かせているのかもしれません。

水の都つながりとして。

私がなぜいま京都にいるのか、

というのも去年得た直感によるものに他なりません。

なんとなく京都に旅行に出掛け、なんとなく住むことになったのです。

後付けで肯定理由はいろいろありますが、最初の決め手はすべて感覚です。

 

その感覚がヴェネツィアで得た経験から来ているのかと考えると、

やはりあの日常体験は生きて効いてきているのだなあと思います。

 

旅の目的:まとめ

刺激の受容にもきっと限度がありますから、それを越えたところでの刺激は、

「楽しかった」

で終わり、写真を見返さない限りは封印された記憶になってしまうような気がします。

 

だからこそ、その刺激受容の限度のなかで最大限に楽しみ

かつ実になる経験を得るならば、一定期間棲みつくようなスタイルの旅が良いのではないかと、私は考えます。

 

ヴェネツィアは、みなさんご存知の通りとても素敵な都市です。

ぜひ一度、その素晴らしさを体感してみてください。

 

朝のランニングは超おすすめですよ!