シンプル=美しい ホント〜に?

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シンプル=美しい ホント〜に? 

 

シンプル=美しい

について。

 

 

 

 

シンプルなものは美しい。

美しいものはシンプルだ。

シンプルでないものは美しくない。

美しくないものはシンプルでない。

 

シンプルなものも、美しい。

しかし、それはより大きな美への序章であるはずなのだ。

 

より深く進む道への案内板

 

美しさを、シンプルさに求める人は多い。

 

それはなぜか?

多くを考えなくて済むからだ。

考える対象が複雑になればなるほど、難易度が上がり手を出しにくくなる。

 

 一輪差し

一輪差しというものがある。

小さな花瓶に、花を一輪だけ挿す。

シンプルでありながら、美しい。

素朴な感じもまた、日本人好みだろう。

ネットや本で得たほんのすこしの知識さえあれば誰にだってできる。

 

けれど、複数の花を組み合わせて美しさを表現する華道はどうかと考えれば、無理だ、同じ要領でこの道が目指す美しさを生むだなんて。

 

華道を始める。その入り口に立ってみる。先生に教わってみるとする。

なんとか、少しできた。

 

しかし、彼は見たのだった。

彼が開いた扉のその背後には無限とも思われる世界が広がっていた。 

地平線のごとき広がりがあったのだ。

 

シンプルなものは美しい。

シンプルな一輪挿しは、美しい。

 

厳しい修練を積んで身につけた華道。 複数の花の掛け合い 。

 

その作品もまた美しい。

けれども、この2つは同じ「美しい」で語れるだろうか、無理だ、違う。

これを同じ言葉で同時に語ってしまうようなことは決して不可能だ。

これが混合する人の使っている「美しい」と僕の使う「美しい」と、いやそれ以外の言葉も、意味するものは別の次元のものなのかもしれない。

そういうことって、ある。

 

シンプルということの意味

 

シンプルというのは、単調で単純ということ。

見ればすぐに理解し、納得できるということ。

手早く、楽に、いいねと共感できるということ。

 

シンプルな一輪挿しを見て、君は言う。 「これ、いいね。」

華道の習いのある人の作品を見て、同じことが言えるか。

「これ、いいね。」なんて言えるか。

言えるなら、何が良いと思うのだ、教えてくれ。

きっと、

「きっとこの作品は良いんだろうけど私にはよく分からないな。」

という評価を君はする。

ファストフード、ファストファッションという言葉と並べるならば、ファストアンダスタンドとなるだろうか。

 

足がかりとしてのシンプル

人が何か新しいことを始めるとき、対象は何でも良いが、さて何から手をつけるのだろうかと考えると、それは単純なものからだ。

 

例えば、バイオリンを新しく習う人にベートーベンのシンフォニーの楽譜を渡す先生はいない。

まずは簡単な音階と練習曲。

そして練習を重ねることで、ゆくゆくはオーケストラの一員としてバイオリンの旋律を奏でるプレーヤーにもなれるのだ。

 

複雑さを理解し、会得するための単調さ。

単調なものも、美しい。

しかし、それはより大きな美への序章である。

こういった概念はないのか。

シンプルなものは美しい として、シンプルなものがいい、引き算の美学、だなんて大げさに言っているものがいるが、それに飛びついて共鳴する人のなんと多いことか。

 

 

ぶーぶー

みながみな、赤ん坊のようだ。

身近な人の話すシンプルな単語に反応する赤ん坊。

それも、「車」は「クルマ」ではわからないから、

「ぶーぶー」と変換して言うような。

 

「ぶーぶー」なら、赤ん坊だって楽に理解する。

そしてそこから始まるより複雑な言語への理解がある。

赤ん坊は、身近な人の話す単語を理解する努力を積み重ねていく中で言語能力を習得していく、段階を上げていくわけだが、シンプル信者は違う。

この蓄積がないのだ、シンプルなものから始まる道、複雑に変化していくなかで深く深く追求していく道、より美なるものへの道を進もうともせず、またなにか別のシンプルに飛びつく。

 

簡単で、単純で、分かりやすいもの。

AKBやジャニーズの楽曲。

人の心の、一番反応しやすい領域にのみ焦点を当てて作られる楽曲は、そこからの広がりがない。ないのだ。

あるのはただ、刹那的な楽しさ。

これらの楽曲と対象的で、遥かに無限の包容力を見せてくれるのはキャッチコピーであるかもしれない。

シンプルなものの良さには、多くの意味を詰め込むことの可能な、まるでマジックボックスのようなものであるところにもある。

 

格言と日本人

 

格言と日本人。

格言が好きな人が多い。

そして、格言集なるものがよく売れる。

例えば、ニーチェなら「力への意志」や「神は死んだ」などの言葉がほんの少しの解説とともに紹介されるわけであるが、こんなんで知った気になる。そうなのか。

 

シンプルな構図に凝縮された格言の意味や深さを本当に知りたいのなら、その背景を真剣に学ぶべきであって、それを知らずして短時間でお得に知識を得られるぐらいの気持ちではいけない。

そんなんでは自分の血肉にならないのだ、そうだろう。

奥底を知り、知り、知り抜くのだ。

 

おしまい。