思考実験ノート

毎日がしんどいときに読む。ロンググッドバイ(村上春樹訳)

しんどいときには、チャンドラーが生み出した孤高のタフガイ=マーロウの心温まる物語を読むんですよ。ね。 ムカつくやつっているでしょう。 仕方ない。どんな世界にだって必ずいるものですから。 ただ、そんなのに構っているせいで大切な自分の人生に下手な…

官能

「ねえ、官能ってなによ?」 「いっぱしの物書きたるもの、濡れ場を書けないようじゃダメだ。なんてよく言うだろう。それだ。官能とは本質の最たるもので、表現の美学なんだ。」 「そんなの、誰が評価するの。わたし?」 「違う違う。今あそこに座って辛気臭…

喫茶店のネコ 利き手の反対の手で描く

僕の利き手は左手で、文字を書いたり箸を持つのは左手でする。 だからこれまで絵を描くなんて行為も、利き手の左手でやってきたけれども、そうした自分の中の常識を取り壊してみた。 だって、別に利き手で書かなきゃいけないことなんてない。 ただただ、慣習…

死者蘇生としてのアイロンがけ

アイロンがけをすると、心が洗われたように新鮮な気持ちになる。 しわくちゃな服やハンカチに灼熱の命を与え、もう一度この世に美しく生きるよう整えてあげる神のような仕事を、われわれはするからだ。 ちゃんとアイロンをかけていないシャツやハンカチから…

意味のないものを、AIは作れない。

AIの勉強をしていますとね、こんなん作っていいのだろうか・・・ と思うことがありますね。 なぜかというと、何でもかんでもAIに任せるまたはやらせていたら、当然にして人間の能力は下がっていきますね。 AIでなくとも、冷凍食品なんかもそうで、自分であれ…

メメントモリー生きる力

メメントモリはラテン語で、「死を想え」というような意味の言葉。 「いつか必ず死はやってくる。それを忘れるな。」 この言葉を思い起こすたび、僕は生きる力を取り戻す。 「死」は、「生」と反対のものでは全くなく、むしろ同一のもの。 「出会いは別れの…

内面は夜に隠され、不透明な奥行きが現れる

鴨川でぼうっと、月を眺めていると、気づく。 水鳥のシルエットが時たま浮かび上がる。 正体不明の虫がパタパタと空を飛ぶ。 はてあれは何だろうか? 知りたくなる。 その正体を、そのシルエットの向こう側を覗きたくなる。 どんな鳥も虫も、月の下にいるも…

ヒトを形容する自然

ヒトを形容する自然 ヒトの個性や佇まいを形容するとき、自然界のあらゆる事象が持ってこられる。 梅雨のようにジメッとしたやつだな、とか クリスマスイブの日を愛想よく飾ってくれる雪のような彼氏、とか。 彼の言葉は雪解け水のように澄んで、キリッとし…

“なんとなく“は諸刃の剣

何でそう思ったのかね。 いやー、なんとなくこれかなーと思って~。 “なんとなく“というのは、諸刃の剣のよう。 その人の見てきた、学んできた、触れてきたもの。 センス、能力の土台の高さ、人間性。 もろもろが一挙に露わになる。 氷山の頂点から海の底ま…

酒ー重力増加アイテム

酒ー重力増加アイテム 皆さんは、酒は何のために飲むでしょう?(久々のですます調) 疲れた自分への労い、仲間との語らい=心と心の融和、睡眠導入、味わう、などなど。 僕はこれらに加えて、酒は重力増加のためにもあると考えます。 というより、僕にとっ…

黒について

黒について 美しい暴力 こんな言葉をどこかで見聞きしたような覚えがあるけれど、これは“黒”という最高に官能的な魅力を湛えた色にこそふさわしい。 “黒”は暴力だ。 世界に散らばるあらゆる色を統合した色。 全てを飲み込んだ色。 いくらでも吸収してしまう…

会話の階段

会話の階段 人との会話は、階段のようなものだと思った。 上がっていくもの。下がっていくもの。 上がっていくもの A「これからこんなビジネスを考えているんだけどさ・・・一緒にやらないか?」 B「いいねそれ、おれの友達でエンジニアいるから声かけてもい…

てんてん

夜、月、鴨 鴨、連、川 水、走、鴨 風、照、陽 冷、冷、冷 冷、霊、レイ 戯、水、鍵 形、無、形 揚、盛、湧 奮、熱、発 空、海、陸 窓、車、海 潮、弾、沫 君、愛、寝 森、星、煌 出、交、別

100円ショップの代替品 

100円ショップにあるモノでも、驚かされるものがたまにある。 「あれ、こんなの100円で買えるの。」 「これはいいアイデアだな。」 けれど所詮、100円ショップで手に入れたモノ。 ハサミならハサミで、上位互換のモノとの良き出会いさえあれば即交換となる。…

スニッカーズくん

スニッカーズでなくとも、カロリーメイトやウイダーinゼリーや、その他諸々そういうもの。 今日の命を繋ぐための食事。 いのちの貯金のない生き方。 早稲田に入るまでの自分の生き方はまさにそうだった。 栄養にならない勉強の仕方。 目的は、高3の冬の受験…

狂え。アホはシャットアウトだ。

26歳。 これまで、自分の感情を剥き出しにして、誰かと本気で向き合ったことがあるだろうかと思うと、そんな覚えはほとんどない。 誰かと何を言い争うにしても、その後の自分の立場を考えての行動だった。 好きな奴とのケンカも、嫌いな奴とのケンカも、好き…

カウボーイ・ビバップ Elm〜告解のうた

久々に、カウボーイ・ビバップの話を。 ↓は過去記事。 www.tobiagattasakana.work https://youtu.be/Fq-KORMeNBE この動画の、1:41から始まる“Elm”という曲。 この曲を聞くと、まるでキリスト教の告解をしているかのような気持ちになる。 日頃抱えている憂鬱…

タバコと言葉

タバコ 僕にとってのタバコは、コーヒードリップの際に使うネルやペーパーフィルターのようなもの。 自分の中から、何か言葉を漉して出して見たいときに使う道具。 言葉にしても、アクはたくさんあるわけで、これら不要なものを吐き出すための道具。 気に入…

511

511 僕にとって、511とはあまり嬉しくない数字である。 どうしても、“511キンダーハイム”を思い出す。 浦沢直樹作品の「monster」で出てくる、旧東ドイツに存在していたと言われる孤児院の名前。 “とても恐ろしいこと”が展開されるおぞましい場所。 興味ある…

番台のおじさんと女の子

近所の銭湯でお風呂を楽しんだ後、ロビーでビールを飲んでいた。 銘柄はたった一つ、アサヒだった。 風呂上がりの身体が、キュッと引き締められた。 5歳くらいの女の子が、番台のおじさんと話していた。 女の子 「おじさんの顔、ミルクティーみたい!」 おじ…

ヴェネツィア

夏、夕方のヴェネツィアが好きだ。 水上バス:ヴァポレットに乗って、エメラルドグリーンの上で 涼しげな風に汗を冷やし、暮れてゆく日を見るのが好きだ すべての美しいものの魂が、この時ここに集まっている 最後にパッと、光の拡散 魅惑的な夜の迷路へ

宇宙に生きるからーアートの響き方

古典文学が、クラシック音楽が どうして今も響いてくるのか アートと現代の僕たちとを 結ぶものは何だろう 地球だ これしかないと僕は思う ヒトであること これは違う もっと言えば、宇宙だ 宇宙に生きなかったヒトなんて、今までいなかったはずだ (これか…

それは水に流してさ、

それは水に流してさ、の「水に流す」という慣用句。 ここでイメージされる「水の流れ、流れる水」とは。 いったいどんな水だろう。 少なくとも、鴨川のような清廉とした水ではない。 そうであって欲しくない。 だって、ここで言う「それ」って汚いものでしょ…

メビック扇町 クリエイティブサロン

最近、興味のあるイベントには最初に感じた 「行きたい!話を聞きたい!」 という直感を第一にして、どんどん参加している。 今回もそのひとつ。 メビック扇町は、関テレ扇町スクエア内にある。 そこで開催されているのが “クリエイティブサロン” 回ごとに異…

卵1個を使って電話を改良せよ。

いま読んでる本に、こんなお題がある。 一見まったく関係のないモノとモノ。 頭を捻って、関係性を生み出し、さらにそれを互いに溶け込ませて、"自然"な文脈にする。 実際に何ができるかどうかはともかくとして、創造力のトレーニングとなるようだ。 連想ゲ…

パリの恋人:オードリー・ヘプバーンに恋するわれら

パリの恋人:オードリー・ヘプバーン 主人公。本屋のアルバイト娘。オードリー・ヘプバーン。 ヘプバーンの輝きを目に漂流させ、私の目の内の明るいところ(暗黒との比率はどの程度のものだろう)に沁み込ませる2時間。 透明でいて、またヒトの体温と同じ38…

ヴェネツィアとストラヴィンスキー(変態)の墓

ヴェネツィアには、ロシアの作曲家ストラヴィンスキーの墓がある。 大学3年の夏、初めてのヴェネツィア旅行で参拝した。 その年の暮れに彼の“春の祭典”を演奏する予定があって何となく気になったから。 春の祭典、愛称は“ハルサイ”。 20世紀近代音楽を語るな…

文学×酒 恍惚を呼び起こす影

小林秀雄は酒飲みだった。 酔っぱらって、一升瓶を持ちながら電車の線路に落ちたなんて話もあるくらいに酒に呑まれることもあった。 当人の記憶はあやふやらしいが、覚めた頭でそれを思ったところで酒をやめない。 常人に非ざる性質が垣間見える。 酒と文学…

光刺鴨川

鴨川には光が溢れている。暖かい朗らかな光。 人間と動物の緩やかな共存の形。 こんなに愛されている川を、他に見たことがない。 私は鴨川の川辺でよく寝る。 本を数冊読破するつもりで出掛けては、いつのまにかそれを枕にしてしまう。 枕から脳へ哲学や思想…

ヴェネツィア

風の薫り 潮の匂い 翡翠の海 陽の匂い ヴェネツィア カナルグランデ アコーディオンの音が不思議に調和する かつての栄華の名残 終末への賛美 陽気さの中の、拭いきれない影 冬の午後 水の輝き 煙を吐く くすぶり 消え行くものの匂い 金獅子の雄叫び 翡翠色…